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【介護の体験談】重度の認知症の方の記憶力

2019年4月15日

私リンゴ店長は介護福祉士の資格を取るために専門学校へ行ってました。
その過程で実際の現場(施設など)に行って実習する期間があります。
今回はその実習中に出会い、学んだ事の話になります。







とあるグループホームに実習で午前中に高齢者の方々とお話しする時間がありました。
高齢者の方々も親切に私と会話してくださいました。
会話の内容はAさんが
「(今日は)どこから来たの」
と聞かれたので私が
「Z市から来ました」
と答えました。
つづけてAさんが
「あそこは海があってえいねえ(良いねぇ)」
と言い、私が
「子供のころによく遊びに行ったことがあります」
と答えました。
Aさんが
「最近外にいかんから(出ていかないので)ようわからん(Z市が今どうなっているのか良くわからないの意味)」
と言ったので、私が
「そうですねぇ、あまり多くは変わりませんが、新しい道路と大きな病院が近くにできましたよ」
と続けました。
Aさんが「そうながやねぇ(そうなのね)、便利になったがやねぇ(なったのね)」
と感想を言いました。

ちょっと間を置いて
「今日はどこから来たの」
と再び聞かれました。

この時、私は
(本当に5分前の会話も覚えていることが困難な認知症の方と会っているんだ)
と思いました。

ただこのAさんしゃべり方がおおらかでしかもとても笑顔で話しかけてくれています。
この雰囲気は壊したくありませんでした。
しかもこっちは実習中で時間があり余っている状態です。

なので私もあえて同じように
「Z市からきました」
と答えました。
するとAさんは同じように
「あそこは海があってえいねぇ」
と言いました。
私も柔らかい雰囲気を維持することを意識して同じように
「子供のころよく遊びに行ってました」
と答えました。
するとやはりAさん
「最近外にいかんから‥」
と言われ私も
「そうですねぇ、あまり多くは変わりませんが‥」
とあえて同じように答えました。

そして会話がちょっと途切れ、話題が詰まるとAさんが
「今日はどこから来たの」
と言われました。

この会話は1回5分~10分の間だったと思います。
どうせ私もヒマだからとことん付き合おうと覚悟を決めました。

実は施設の高齢者の方はあまり職員とゆっくり、じっくり話す機会があまり無いのを私は他の施設で働いたこともあり知っていました。
何よりAさんは悪気も無く、笑顔で話しかけてくれてます。

そんなことを思いつつ2時間ほど会話をした頃でしょうかAさんが
「今日はどこから来たの」
に続けて
「ああ、Z市からやったねぇ」
と言いました。

この時、私は衝撃を受けました。
この方は5分前の会話を覚えていないほどの重度の認知症の方で、記憶力はゼロだと思っていたからです。
この方の出会いと会話によって認知症の理解が深まりました。


まとめ


重度の認知症の方でも記憶力はゼロではない。
ただこの記憶の維持も困難なので無理に新しいことを覚えてもらうのはほぼ不可能であると思われる。


以上です。最後までお付き合いくださりありがとうございました。