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【介護の体験談】認知症の方が怒っているときの対応

2019年4月19日

介護していて相手が怒ってどうしたらいいのか解らない!ってことはありませんか?

今回は私が介護施設で働いているときに起きた話です。




事例

認知症のAさんは気分の波があり、穏やかに過ごすときもあれば突然怒って職員に手を上げることもある方です。

3月の朝10時ごろ、施設内の出来ごとです。
Aさんはちょっと暑いと感じたようで上半身の服を全て脱いでしまいました。
他の利用者さんの見ている前ですので職員があわてて
「Aさん、服をきませんか」
と声をかけますが、
怒気まじりに手で振り払いました。
2、3度声をかけましたが同じように拒否されました。
徐々に機嫌も悪くなっているようにも感じも見られます。

この時、対応している職員はすぐに服を着てもらうのを諦め、
つかず、離れずの距離を保ちながら機嫌が良くなるのを待ちました。

その間、他の利用者の面会に来た方へは
「この方は今ちょっと機嫌が悪いみたいです」
と簡単な説明をしていました。

その後Aさんは小1時間ほど施設内を散歩して機嫌が少し良くなった様子がみられたこと、
少し肌寒いと感じた様子がみられ、職員が再び
「Aさん、服を着ませんか」
と声をかけるとAさんは
「おお、そうやな」
と答え服を着てくださいました。

解説



施設内は基本やや暖かく感じるようにエアコンを設定しています。
高齢者の方は体温を上げる能力も衰えている可能性があること、
また風邪への抵抗力も下がっていると考えられますので寒さへの対策は十分にしています。

Aさんについて

上記の事からAさんはちょっと暑く感じて服を脱ぎ始めたのだと思います。
また認知症の為、人前で服を脱いで恥ずかしい感覚はなかったようでした。



職員の対応について

最初に声掛けを行ってだめでしたが、1回やってダメならはいお終い、ではなく2~3回は声を掛けます。

これは職員の立場だけでなく、第3者から見ても直ぐには服を着てもらうのは無理だったと理解してもらうためでもあります。


なぜ職員数人がかりで無理にでも服を着せなかったのか

これはAさんに服を着てもらっても直ぐに服を脱ぐ可能性が高いためです。

またこの服を着ている間Aさんと職員はちょっとした騒ぎになり、それを見ていた他の利用者さんが不穏になる可能性もあり行いませんでした。

なぜつかず離れずの距離を保って様子を観察したのか

Aさんの機嫌が少し悪くなり、職員の顔を見ただけで
「また来た。俺は服をきんぞ(着ないぞ)」
と意思を硬くされると困るからです。

なぜ時間をかけて対応したかのか

1つはAさんの機嫌が悪くなっているからです。
人の怒りは持続しますが時間がたてばある程度軽減されるのがほとんどです。
そしてもう1つのポイントが
Aさんがちょっと肌寒くなったと感じた様子がみられた、という所です。
この2つが合うタイミングで「服を着ませんか」と声をかけたことにより
Aさんは
「お、気の利く職員やな」
と思って服を着てくださったのかもしれません。

まとめ


認知症の方でも人らしく過ごしてもらいたい、という思いをもって働いている。
三度声掛けするのは第三者が見ても適切に対応したとみなしてもらうため。
利用者の機嫌が悪いときは時間をかけて対応する。
その間他の人には簡単に説明する。
利用者に変化が感じられれば再び声をかけて対応する。

以上です。最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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