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【介護の体験談】重度の認知症の方への説明について

2019年4月16日

認知症の方への説明について体験談を記事にしたいと思います。

記憶能力に大きな低下がみられるAさんは日帰り手術を受けるのですが本人は覚えていませんでした。

それを聞いた家族が「本人の同意なしでどうして手術させるのか」と少し怒っていました。




介護タクシーで働いているときに重度の認知症のAさんとその家族の人BさんをX病院から別のY病院へ搬送しているときの話です。




そのAさんは日帰りの手術のためにY病院へ向かってるとき、家族のBさんが

「Aさん、今日は手術するけど、わかっちゅう?(わかっている?)」
と聞くとAさんが
「そんなの聞いてない」
と答え、家族のBさんが元の病院Xへ確認の電話をする事態となりました。


介護、医療でも最近は本人および家族の方への説明責任と義務があり、時々ニュースになったりしています。

今回はなぜAさんは手術の事を知らなかったと言ったのか、本当にX病院は説明していなかったのかを私なりに解説していきたいと思います。

解説


恐らくですが最低でも1回は必ず本人とキーパーソン(Aさんの介護の連絡を受ける人、主に家族がなる)に連絡を行い、承諾を得ているはずです。

根拠は上にも書いた説明責任と義務からきます。
十分な説明がなされていなかった、本人の同意がなかった、と訴訟になるケースも実際あります。

ではなぜAさんは知らないと言ったのか
それは重度の認知症で手術の説明をされたことを忘れている可能性が高いと考えられます。

そして施設側は覚えてもらうまで積極的には何回も説明はしないのです。
理由は手術の日にち、内容、現状の病気の状態を全て記憶できる可能性は低いからです。
この記憶力の低下は認知症の主な症状となります。

例えば1週間前に説明して「いつ手術するか」を忘れた場合、
Aさんの心理を考えると
「手術はわかったけどいつになるか分からない」
と不安になり、
手術の内容を忘れた場合は
「1週間後には手術するけど自分はそんなに悪いのか、何で手術するのか」
とやはり不安になってしまう事が可能性としてあります。
なので本人には最小限の事前説明と、当日に説明をしてできるだけ不安になる要素と時間を減らす事を目的にしたと思われます。

今回付き添いの家族Bさんはキーパーソン(介護の連絡役)ではなかった為、連絡のすれ違いがありX病院に確認の連絡を行ったようです。

その後、Aさんは無事手術を受け、X病院へ戻られました。

まとめ


どんな人が相手でも施設側は説明と同意が必要である。
認知症の方へはあえて説明を最小限にする場合がある。

以上です。お付き合い下さりありがとうございました。

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